人間関係の悩みを解決、自分自身を知ることのお手伝いをしている占い師でカウンセラーの藤原です。
以前、知り合いの女性から「これに書いある事ってどう思います?」って本を渡されたんです。
その本はタイトルは忘れましたが、内容は子どもにテストや試験などで結果が出たらお金を報酬として渡すことでその子は最終的にある分野の専門家になったと言う事が書いてあるんです。
この本の中では非常に厳密に報酬体系が設定してあって、それをするまでは全く勉強とか努力とかをしなかった子供がどんどん勉強をしだして難関を突破していったというものでした。
この女性自身も子育てをしていて、僕によくアドバイスを求めていたんです。
そんな中でたまたまこの本を見つけたんですが、よくこいうテストの点とかにお金などの報酬を与えるのは良くないって話もありますよね。
その女性もその事を知っていたから僕にどっちが正しいのかを聞きたかったようなんです。
これ答えを先にいうと「素質によって違う」です。
そもそも、多くの教育とか子供の育て方とか接しかたってのを書いた本やら今なら動画やら講演会をしている人もいますが、「王道」な部分はもちろんありますが「この方法なら全ての子供に」なんて方法はありません。
それは僕がこのブログでお話しているように、人には「持って生まれた素質」があるからです。
これが違えば、ある子供に対しては正しくても素質の違う別の子にはむしろマイナスになったりします。
その典型がこの「報酬を渡す」なんです。
今までいろいろな教育の仕方の話を聞きましたがそのれの殆どは、その語っている人が「自分の素質に合っていること」を話しているに過ぎないんです。
これは教育だけでなくて、名言とか成功者の考えとかもほとんどがそうで、脳科学者とかでも自分の素質に合っている論文などを指示しているに過ぎないんです。
例えば、この報酬の話を否定するのによく出てくる話が「アンダーマイニング効果」とよばれるものがあります。
アンダーマイニング効果ってなに?って人の為にAIに聞いてみました。
AIの説明はこうです。
「アンダーマイニング効果とは、内発的動機付けにより行動したことに対して、外発的動機付けを行うことで、やる気が削がれてしまう心理現象です。過正当化効果とも呼ばれます。たとえば、趣味として行っていたランニングに対して金銭的な報酬を与えられることで、モチベーションが外発的なものへと変わってしまい、結果的にやる気がなくなってしまうことがこれにあたります。」
要するに外からの報酬などのモチベーションでは結果的にはやる気が無くなるってことなんですよ。
だから、「内発的」なモチベーションが必要なだと言うことになります。
今回のお話は勉強をするために「お金」という外からの報酬ではなくて、内側の動機が必要って事で例えば災害現場で活躍するお医者さんを見て「医者になりたい」ってその子が思うことが必要って話です。
もちろんこれを否定する気はありませんよ。
では、その僕が渡された本に書かれていたことは嘘なんでしょうか?それともたまたまそうなったんでしょうか?
このアンダーマイニング効果の話で1つ重要な事が抜けているんですよ。
素質によってはその「報酬」が内発的動機付になるタイプがいるって事です。
これはEベクトルと言われるタイプの素質の人がそうなんですが、その中でも特に12種類の素質で言うと「商売上手タイプ」と「事なかれタイプ」がこれがとても強いんです。
最初に書いた渡された本に出てくる子供の生年月日がその本には載っていたんですが、その子の本質は「商売上手タイプ」でした。
こちらで素質のタイプが確認できますので確認してみてください。
https://getterlabo.com/twelve/
この素質だけでなく全般的にEベクトルの素質にはこれは効果的なんです。
ちなみに、今回のお話で言うところの「内発的動機付」が一番効果があるのはAベクトルの人達です。
彼らはリアルな結果とか数字とかよりもイメージや感覚、感情がとても重要なんです。
例えば、Eベクトルの人に「1日5時間を半年間頑張ると3,560,000円もらえます」と言うと頑張りますが、Aベクトルの人にこれを言うとあまりモチベーションにならずAベクトルには「1日5時間頑張ると凄い報酬が手に入ります」という方が頑張ります。もちろんEベクトルの人に「凄い報酬」と言ってもあまりやる気にはなりません。
これね。
素質は関係なく「内発的動機付け」を持っているならいいですよ。
でも、どうですか?
多くの人ってそこまで明確な「内発的動機付け」って子供時代に持っていました?
親御さんからしたら「内発的動機付け」って持たせることできます?
よくあるスポーツのスーパースターたちが「子供時代から目指していた」って話しがありますよね。あれって確かに「内発的動機付け」ではありますが、それの殆どは「環境」でしょ。
このことに関してはこのブログで詳しく書いています。
https://michibiki.blog/?p=40
https://michibiki.blog/?p=56
環境であれその子が何かを見て憧れから「内発的動機付け」ができたのならそれはそれでいいことなんですよ。
でもそれって全員が持てるわけではありません。
むしろ持てない子供の方が遥かに多いんだと思いますよ。
そしてこれって、「内発的」って言っていますがその内発が起こる為のものは「外」でしょ。
親が高学歴で一流企業に勤めているって言うのを見て育った子供は当たり前に偏差値の高い大学に行こうとします。親が医者ならな医者を目指す可能性は高いわけです。
スポーツでも同じです。
環境ではないなら、さっき書いたような災害現場で見た「医者」とかTVで見たスポーツのスーパースターとか実業家で大金持ちになってスーパーカーを乗り回しているのをみたとか・・・
これも「外」の情報から「こうなりたい」って「内発的動機付け」が起こったわけじゃないですか。
でも、「内発的動機付け」と言うなら「素質」から来るものは最初から「内」にあるわけですよ。
環境にも出会いにも左右されません。
左右されるとしたら、親や先生たちという「大人」の無理解に左右されます。
先程のアンダーマイニング効果の説明をしたAIの回答にこんなのもありました。
「アンダーマイニング効果を抑えるには、内発的動機づけを増やすことも有効です。たとえば、部下が頑張って進めていた企画を成功させた際に、『よくできたね』と褒めるよりも、『大変なこともあっただろうに、たくさん努力したから成功したんだね』と褒めるほうが相手の心に響きやすいでしょう。」
確かに「褒める」ことは必要ですし、褒め方の工夫も効果はあるとは思います。
ただ、これってさっきのEベクトルのタイプには効果が薄いんです。
そもそも、なぜEベクトルに「報酬」が効果があるかって言うと、Eベクトルの人達っていうのは「数字化できる結果」「形のある結果」が欲しいのです。
そしてそのリアルな結果が自分にとってどんなふうにリアルな得があるのかがすごく重要なんです。
「褒める」って言う本気で言ってるかもわからないような不確かなものにはピンときません。
だったら、企画に成功したらボーナスやインセンティブを出せばEベクトルは凄く頑張ります。
この「報酬をあげる」ってやり方は有名な「ドラゴン桜」でも否定しています。
この漫画の中では報酬よりも「精神的自立」が重要で、自分からそうしたいと思わせる事だって語っています。
この素質のタイプで言う「自分」からこそが「リアルな結果」なんです。
途中にも書いたように、環境や憧れから明確に「東大に行きたい」があればそれもいいでしょうけど、ドラゴン桜は主人公の桜木建二の型破りな勉強のやり方や、先程の話の「精神的自立」をさせるまでに育てたやり方は凄いですが、ここに出てくる生徒たちは基本的にもともと「東大を目指す」と言う動機を最初から持っているんですよ。
もともとは持っているのにそれが何かの理由で折れていたのを元に戻すのと、まったくないものを作り出すのではその本質も難易度も全く違います。
そして、この「精神的自立」って言うのが今回のお話での「内発的動機付け」になると思うのですが、このドラゴン桜って物語では例えば生徒の水野は「母のように落ちぶれたくはない、1人で強く生きていくというのが東大を目指した動機」だったり、矢島も「父親は大手製薬会社」「長兄は一橋を経て財務省」「次兄は東工大学生」って言いう「当たり前」が最初からあるんですよ。
なので、僕からは「プロ野球の名選手の息子に型破りの方法で野球を教えた」ってだけにしか見えません。
名言とか成功者の考えとか脳科学者でも自分の素質を言っているだけだってお話しいましたよね。
このドラゴン桜の作者のは三田紀房氏は本質の素質も、もう一人の素質も強いAベクトルなんですよ。
「内発的動機付け」が一番効くのがAベクトルだってお話しましたが、ようはこのタイプは「イメージ」ができるもや「感情が動くもの」でないとモチベーションが上がらないんです。
Eベクトルように1+1をすれば2になるってリアルに数字化できる結果だけでは動けないんです。
もちろん、このドラゴン桜に出てくる生徒のようにすでに「東大に行く」って言うのがあるのなら、それが「リアルな結果」として自分に特があると捉えていればEベクトルもやるでしょうね。
以前、僕のお客さんで「娘が水泳教室に通っていますが、毎月ある◯◯メートル泳げるかってテストに合格しなくなってしまったんです。水泳は好きなんですがそのテストのやる気がいまいち起こらないようなんです」と相談されました。
この娘さん本質ももう一人の自分の素質もEベクトルなんですよ。
そこで「ちなみに、テストをクリアーしたら何かもらえるんですか?」と聞いたら、「先生に皆の前で褒めてもらえて〇〇メートル泳げた人って賞状がもらえる」のだそうです。
褒め方も重要ですが、Eベクトルにはそんなのどうでもいいことですし、リアルな自分の得が必要なEベクトルには賞状なんて使い道もなければ食べれもしないものゴミも同然です。
そこで、娘さんはまだ小学校の低学年だったんで「お金」ではなくて、テストを合格したらお母さんが「何でも買ってあげるから何が欲しい?」と聞いてみたんです。
そしたら「周らない鮨が食べたい」と言うのですよ。
なので、毎月そのテストを合格したらお鮨を食べに行くことを約束しました。
それから1年ほどして会った時に聞いたら、約束した月からテストは毎月合格しているそうで、水泳教室の月謝とお鮨代で破産しそうだって笑っておられました。
このEベクトルの中でも「商売上手タイプ」と「事なかれタイプ」がこの傾向が強いと言いましたが、この2つのでは「商売上手タイプ」が更にこの傾向が強いです。
僕のお客さんの息子さんでスポーツ万能でアウトドアなタイプでかなりやんちゃな子ですが、テストの点には厳格な報酬が設定されています。
なので、この子は勉強でも学年トップなんです。
そしてこの子も「商売上手タイプ」の素質です。
ちなみに、なぜパーソナル心理学の素質で「商売上手タイプ」って名前にしたかって言うと、成功者とか実業家とかで大成功している人がとっても多いからです。
その理由は、さっきの「数字化できる結果」(Eベクトル)に加えて、それを「すぐに出したい」(商売上手タイプ)っていうのと「思い立ったら即行動」(アクション)、何かするときには「できる、うまくいく」「失敗してもすぐにまた挑戦する」(ホープ)って考えるって要素が組み合わさっているからで、この素質のもう一つの特徴である「これは結果がリアルに得れる」と思ったら超集中するのもあります。
こんな具合に、世の中の正しいとか正しくないって「素質」によって変わってしまうんですよ。
自分や子供の素質を知っているとこの違いで失敗が減らせるんです。
僕のセッションで素質を詳しくお話もできますし、パーソナル心理学を学ぶ講座も用意してありますので興味があったらご連絡ください。
それではこれで終わります。