人間関係の悩みを解決、自分自身を知ることのお手伝いをしているカウンセラーの藤原です。
「人の話を聞かない」とか「自分の話ばかりしている」って人っていますよね。
反対に「聞き上手」みたいな人もいます。
どんな人が聞き上手って人でどんな人が人の話を聞かない人なんでしょう?
単純に「聞いている時間」が長くて「自分が喋る時間」が短い人が聞き上手なんでしょうか?
話を聞かない人はその逆??
確かにそんな部分もあるのはあるんですよ。
なので、人の話なんて関係なく自分の話ばかりしている人もいるのは確かです。ところがそんなわかりやすく自己中な人でなくても相手が「話を聞いてもらえた」と思えない人っているんです。
人が話を聞いてもらえたって思うのは単に「時間」ではなかったりするんですね。実は本質的にはそこじゃないんです。
これを勘違いしている人は、自分が聞き上手だと思っていたりするんですが実は他の人からはそう思われていない事が多いんですよ。
僕のセッションを受ける人は比較的、悩みの深い人が多いんです。
すると、僕のところに辿り着く前に心療内科などを受診している人も多くいます。
そこで、まずはその心療内科ではどんな事をしたのかを聞いてみると、殆どは「いろいろ話を聞いてもらったのですが・・・・なんかスッキリしなくて・・・」と言われる人が多いんです。
「話を聞く」がカウンセラーの基本ですからね。
そうやっていろいろと話しを聞いてあげて、本人が喋っている中でいろいろな事に気づいて・・・
別に僕は心療内科とかを批判する気は無いですが、僕はこうやって「聞く」ことで本人の「気づき」を促すやり方は、「浅い悩み」にしか通用しないと思ってるんです。
本人がストレスを発散したいだけって言うならいいのですけけどね~
なので、僕はむしろ積極的に喋ります。
たぶん、セッションの時間の7~8割の時間は僕が喋っています笑
ところが、僕のセッションへのお客様の声(口コミ)を見ると「じっくり話を聞いてもらいました」「話をいっぱい聞いてもらえました」みたいな投稿が多くあるんです。
これはどうしてでしょう?
僕が殆どを喋っているのに?
実は相手が「聞いてもらえた」と思うのは単純な時間の長さではないんです。
自分が「聞き上手」とか「聞き役に多くなる」と勘違いしている人って同時に「相手に話を割り込まれる」って感じている人も多いんですよ。
これの理由はですね~
その人が自分が話す時に相手に「話すタイミングを与えてないから」なんですよ。
ん?
話すタイミングを与えていないなら、自分ばかりが喋っていて相手には喋らせてない「時間」の長さの問題では?と思わるかもしれませんね。
でもこれって、どんなに喋る時間が短くても「話すタイミングを与えていない」って人はいるんですよ。
具体的にお話しますね。
Aさんは自称「聞き上手」です。
そんなAさんとBさんが話をしました。Bさんは仕事場の人間関係で悩んでいてAさんにその事を愚痴と相談をしていたんですね。
B「私の職場の部長は酷いパワハラでセクハラでもう困っているんです」
A「そうなんだ、それは大変だね」
B「そうなんですよ。去年までは別の部長さんだったんでその人はすごくいい人だったんだけど、人事異動できた今の部長が最悪なんです。Aさん、どうしたらいいでしょう?この会社の仕事は気にってるのに・・・」
A「そうだね~例えば他の上司の人とかはどう思ってるの?」
B「パワハラとかセクハラをしているってのは多くの人が知ってると思います。人がいるところでも平気で暴言を言うし、セクハラな発言もスキンシップぐらいにしか思ってない昭和な感じの人なんです。外部の人がいても平気でするんで、今どき恥ずかしくなってきて他の会社の人になんて言われているんだろうって思っちゃったりするんですよ」
A「だったら、信頼できそうな他の上司に相談してみたら?あと、同じようにパワハラって感じている部下の人とかもいると思うから声をかけてみたら。で、その人達の声を社長が聞いてくれそうなら相談するとか、社長がだめなら役所とかにパワハラの相談できるところあると思うから調べてみるといいと思うよ」
B「あ・・・他の上司はみんな面倒なことはやりたがらなくて・・・それと社長もむしろパワハラな感じもあるんですよ。そのパワハラな部長と社長って会社を作った時から一緒に働いてるんで、そのパワハラな気質は社長を見てそうなってるような気がするんです。そんな2人が仲が良いのを知ってるから他の上司は関わらないようにしていて頼りにならないんですよ」
A「そしたら、役所とか外部で相談するのがいいね。その時には証拠がいるから録音とかメモとかは必要だよ。録音は携帯でもいいけどボイスレコーダーが安くて便利のがあるからそれがいいよ。アマゾンとかで安く売ってるからね。知り合いにそういう機械が詳しい人がいるからこんど聞いてみてあげるから、それで注文したらいいんじゃないかな」
B「あと、他の部下の子達って言っても数人しかいなくて、その子達もパワハラだとは思っているとは思うんですが若い子たちなんで、訴えてって言うよりも『辞める』方向で考えていて・・・今どきの子って一つの会社に留まるって感覚って少ないと思うんですよ。その当たりも会社で自分だけが歳上だから疎外感もあって、でも、この会社の仕事は慣れているし好きなんです」
A「会社の中で味方してもらうのは難しいならやっぱり役所とかじゃないかな。知り合いで役所で勤めている人がいるからどこに聞けばいいのか聞いてみてあげるね。で、役所で相談してその部長に何かのペナルティーとかになったら、会社にいずらくもなるかもしれないから別で働くのも考えておいたほうが良いかもよ。この機会に『やりたいこと』っ考えてみてそれを探すのも必要なんじゃないか・・・」
B「いや、その役所はもう・・・」
A「まって、まだ私が話しているから、いろいろ上手く行かない時って別の道に進む時だったりするからチャンスでもあるんじゃないかな」
B「・・・・・・・・・」
これね~AさんとBさんでは喋ってる量はそんなに変わらないはずです。
でも、Bさんは「話を聞いてもらえた」とは思わないんです。
これ何が一番の問題かって、Aさんが喋ってる量でもBさんが喋ってる量でもなくて、Aさんが話をどんどん展開していることなんです。
「話すタイミングを与えない」って言ったじゃないですか。
タイミングを全く与えないのは論外ですが、「適切なタイミング」で与えていないんですよ。
その適切なタイミングって言うのが「話を展開する時」なんです。
今回の例え話だと、「別の上司に相談は」→「他の部下の子は」→「社長に訴えてみる」→「ダメなら役所へ」ってAさんは自分のターンの時にどんどん話を展開しています。
その次のAさんの会話でも「役所で相談」→「録音したほうがいいからボイスレコーダー」→「知り合いに詳しい人がいる」→「注文したら」
その次もAさんは「やっぱり役所がいい」→「役所に知り合いがいるから聞いてあげる」→「訴えたらj会社にいづらくなるかもしれない」→「次の仕事も考えるべき」→「やりたいことをみつけるタイミング」
Aさんは「聞き手」だけじゃなくて「アドバイザー」的な感じでもあるんで、自分の意見や知識を言うのは問題ないんですよ。
最初の方にBさんは「どうしたらいい?」と聞いていますからね。
これ最後の方でBさんが「役所はもう」って話に割り込んでいるじゃないですか?
実はBさんはもう役所には相談しているんです。
Bさんが言いたかったことは「役所はもう相談しているんです。でも、Aさんの住むような都会だったら今どきパワハラとかすぐに問題になるでしょうけど、私の住むような田舎ではまだまだ『そのくらいは』とか『我慢したら』的な人たちは多くて、役所でもそんな感じで相手にしてもらえないんです」
Bさんが会話に割り込んだのは、Aさんがどんどん「役所」で話を展開しちゃてるから意味のない会話になっているので止めようとしたんですね。
なので、Aさんのような会話をする人に対しては、会話に割り込んできたり被せるよに話してきたりする人が出てくるんですよ。
それ以外にも、Bさんはボイスレコーダーは弟がそういったものに詳しくてすでに持っていて会話を録音しているし、この件とは別にやりたいことはあって副業的に少しずつやっているんですが、まだまだ本業にするほどではないからしばらくはこの会社を辞めたくないんですね。
これらのBさんが言えてないことって、Aさんが話を展開する時に一旦、Bさんに話すタイミングを与えていれば話せていた話ですしAさんも意味のないことを話さずにもっと必要なことを話せたはずです。
「タイミングを与える」って難しいく思うかもしれませんが、少しだけ「間」を空ければいいだけです。
でも、Aさんのようなタイプの人はむしろ「で」とか「それで」って言葉で「間」を潰してしまいます。
Aさんみたいなタイプの人を見ていると「間」を空けたとしてもほんの少しですが短いんですよ。
ちなみに、これはマシンガントークとかしているとも限らないんですね。
ゆっくり話していても、「間がない」か「間が短い」なら同じことなんです。
これ、間がないのも間が短いのもどんどん自分の意見や言い分が言いたいからなんですよ。
それは「相手に教えてあげたい」って気持ちもあるんですが、それ以外に「自分が教えたげる」「自分の意見を聞かせたい」ってマウントを取りたいからがあるんですね。
アドバイスをしていたり相談されている時点で、本来はAさんってBさんよりも立場は上のはずなんで、わざわざマウントを取る必要なんてないはずですよね。
ではなぜそうするか。
それはAさんが「劣等感」が強かったり「自己肯定感」が低いからです。
これは、今回のAさんのように「相談される」とかみたいな立場だけでなくて、対等に話をしていたりしても特に意見を言ったり自分の考えを言うような場面ではこのタイプの人は同じような事をします。
間をなくしてどんどん話を展開しちゃうから、相手は「そうじゃない」とか「それは前提が違う」ってなるんで、会話の途中で割り込んできたり話を被せてきたりするんですね。
僕の場合は、話す量も多いし話も長いんですがそれは一つの項目が長いだけなんです。
展開する時に間を空けて様子を見て、話しださないようなら話を展開していってるんですね。
たまに夢中になって展開しちゃってる時もありますが笑
人って話したいタイミングで話せなかったり言いたいことを必要なところで言えないと、どんなに話す時間が長くても「聞いてもらえた」とは感じないんです。
とくにAさんみたいにどんどん話を展開されちゃうと、常に「そうじゃない」とか「話し終わったこと」に対しても説明とかの対応に終始させられて量は話しているけど言いたいことは話せてないので、余計にフラストレーションが貯まるんです。
Aさんのような劣等感が強かっやり自己肯定感が低くてマウントを取るタイプの人は、Bさんが後から「役所は行った」って話をしても、「そうなんだ~」とはならずにいろいろそれに対して反論や否定をしてくるんです。
すると、Bさんは「言いたいこと」「伝えたい情報」を言っても「受け入れ」がないので、やっぱりっ「聞いてもらった」って感じはしないんですね。
ここで勘違いしないでほしいのは、Aさんの立場でBさんの言ったことに何でも「はい。はい」って同意しろとかってことでもないですし、「自分の意見を言うな」って事でもないんです。
まずは、Bさんの言ったことや考え、意見に「そうだね」とか「わかるよ」とかの承認をしてから、自分の意見を言えばいいのです。それが例えBさんの意見と反対だとしてもです。
矛盾するように聞こえるかもしれませんが、「私はあなたの意見や話を聞き入れたよ。ただ、あなたの意見とは違う意見を持っている」ってことなんです。
ここが抜けている人って、やっぱり相手は「聞いてもらえた感」は無いんですね。
僕がセッションの時は、相談者の意見や考え価値観をなんでも「はい」とは言えないんです。
その考えや価値観では上手く行かないから「悩み」になっているわけですからね。
でも、そこで「なるほど」でもうなずくだけでもほんの少しでも、こちらはその話をわかったよって合図を送れば相手は聞いてもらえたになります。その後、「でもね~」って反対の事を言ったとしてもです。
そうしていると、「否定されなかった」「肯定された」って相手は感じるんですね。
必要なのは、「承認」と「間」です。
それがないと、「ただ聞いていただけ」では話している人は「否定」「拒絶」されているように聞こえてしまうんですね。
長い時間を話を聞いているのではなくて、「話を聞いてもらえた」っていうのに必要なのは「自分の話を受け入れてくれた」って思われることなんです。
よく「人は自分にしていることを他人にもする」って話をしますが、これも「承認」ができないのは自分の意見や考えを何処かで「否定」されるって劣等感を多く持っているからで、「間」が取れないのは「自分の話を聞いてもらえないのでは」「自分の話は否定される」って無意識に思っているからでもあるんです。
感情的になったりすると難しい時もあるんですが、これを心がけていると話を「聞いてもらえた」って相手に思われやすいんです。
そしてこの能力は「相談される」って時にも必要ですが、「教わる」って場面ですごく重要になるんですよ。
Aさんのようなタイプの人は誰から教わる時にも同じような会話の展開をするんですね。
教えてもらうわけですから、相手の方がその内容に関しては詳しいはずです。
Aさんのタイプは教えてもらう話の3分の1も聞かないうちに自分の知識で話を展開しだしたり、質問をし始めたりします。
その質者の答えは残りの3分の2を聞けばわかったりそこは知らなくてもよかったりするのに、聞いた3分の1+自分の知識で話を展開して質問をし始めます。すると教える側はその質問に対処するために余分な説明が必要になります。
そうしているうちに本題の話が複雑になってしまったりするんで説明する側も面倒になります。
説明する側も人間ですからね~面倒な相手なら最低限度しか教えません。
逆に本当の意味での「聞き上手」なら、教える側は気持ちよく話すので120%教えてくれたりもします。
今の時代は、このブログのようなものや動画もありますからいろいろな話や情報は手に入れれますが、本質的な部分の話はやはり直接の「会話」でないと手に入りません。
なので「聞く能力」ってある方が有利なんです。
それではこれで終わります。