前回は、持って生まれた素質と生きてきた環境の関係性のお話をしました。
環境が違えば素質の出し方が変わるので見た目は違って見えますが、でも「そうする理由」は素質から来ているので分析すると素質の通りに動いているってお話でした。
でも、そうするとこんな疑問が出てきます。
セッションやパーソナル心理学の講座をしている時にでも、聞かれる事があるのですが「双子はどうなるの?」って事です。
生年月日も同じですが、基本的には環境も同じです。
でも、双子って案外と顔や姿はよく似ていても性格は違っているように見えたります。
これが実は正に「出し方」が変わるって典型なんですね。
「出し方が変わる」と言っいても両親も学校も同じだから出し方を変える「環境」が同じでは?と思わるでしょう。
ところが、一つ大きく違うことがあるんですよ。
それは「立場」です。
そして「相手がいる」ってことです。
立場というのは、双子であれ生まれた順番で「長女、長男」「次女、次男」が決まります。
すると、人はその「長男」と言う立場に影響を受けるんです。
よく、「長男」「次男」「末っ子」「一人っ子」などで性格が分かれるって話がありますよね。
あれは確かにあるんです。あるんですが、それも「素質」が大きく影響しているんです。
双子の場合は素質は全く同じでも、その立場が違う訳です。
そして「相手がいる」って部分ですが、これが双子の独特の事情です。
人って目の前に全く同じものがいると反発をしようとするんです。
これは、僕のお客さんのお話ですが、そのお客さんには女子高生の双子の娘がいます。
お客さんが言うには、この二人は見た目はそっくりだけど、行動はぜんぜん違うと言うのです。
この子達の素質は簡単に言うと「リーダー」をするタイプです。
リーダーをする理由は、「他人軸」が強くて「相手」を中心に考えます。
そして、自分の能力とかスキルとか知識によって人を良くしてあげたいというモチベーションを持っています。
そして。「自分が正しい」を強く持つタイプで、その正しいに相手をしてあげることで相手をよくすることになると思っていたりします。
良く出ると、「良きリーダー」ですが悪く出ると「人をコントロールする」「他人の価値観を認めない」になるタイプです。
そしてこの子達はと言うと、「立場」で言う「長女」の方は積極的に前に出て自分の意見を発言して、どんどん人を引っ張るタイプで学級委員や生徒会長などを積極的にしています。
次女はと言うと、むしろ目立たないタイプで学級委員なんてしません。
ぜんぜん違う?
ところが、この子達の教室で揉め事があると、このクラスの子達は「次女」のところに相談に行くのだそうです。
次女は前には出てきませんが、面倒見がよく正義感が強く誰からも頼りにされているのです。
これは立場と言う、「長女」が「陽」に「次女」が「陰」に分かれたのと言うのと、その自分と同じ環境で同じ見た目の相手に無意識に反発をしようとした結果が、「表」にでる長女と「裏」にいる次女にわかれたのです。
出し方は違いますが、どちらも素質通りに「人のため」「人を導く」「自分が正しい」は同じなんですね。
ちなみに、双子を何かで生まれた直後で別々に育てて、環境がよく似ていると大人になって見た目も中身もそっくりになります。
見た目や今の行動だけで考えても「そうする理由」はわかりません。
生年月日などで、行動や性格を決めつけても「どう出しているか」はわからないのです。
それではこれで終わります。